腎臓内科
腎臓内科研修の基本方針
はじめに
腎疾患は腎に特異的な疾患以外に全身疾患が反映される病態が少なくない。たとえば高血圧、糖尿病、自己免疫疾患、アミロイドーシス、腎以外の感染症、薬剤性腎症などがあり、これらの病態を把握するためには全身的な見地からの知識が必要となる。また病理学(腎生検病理は必須)、免疫学、生理学(電解質や酸塩基平衡)、内分泌学(RAS、Ca-P代謝など)、さらには外科的手技(ブラッドアクセス手術など)、メカニクス(透析装置や水濾過装置)まで幅広い知識、技術が必要でまさに一生かけて専門家として習熟していくといってもよく、その意味ではやりがいのある領域であると思っている。基本的姿勢として将来腎臓内科を専門分野として希望する若手医師には幅広い知識を身につけるため、卒後数年間(研修期間およびその後1-2年)は多くの診療科の研修を行うことが望ましい。
具体的には2年間の臨床研修(この間に外科的手技を含む多方面の知識を身につけてほしい)終了後1年間は腎以外の内科の研修(循環器、呼吸器、糖尿病、膠原病科など)をすることが望ましいが大学病院では卒後3年目でも腎臓内科において多くの科と連携して研修することは可能である。
その後腎臓内科を専門として希望する若手医師には、これらの多方面の分野にわたる中、得意としている分野を持つ各医療機関(マグネット病院)と協力して、一定期間、各病院で派遣修練医として研修することはきわめて意義深く有益であることはいうまでもない。
具体的には2年間の臨床研修(この間に外科的手技を含む多方面の知識を身につけてほしい)終了後1年間は腎以外の内科の研修(循環器、呼吸器、糖尿病、膠原病科など)をすることが望ましいが大学病院では卒後3年目でも腎臓内科において多くの科と連携して研修することは可能である。
その後腎臓内科を専門として希望する若手医師には、これらの多方面の分野にわたる中、得意としている分野を持つ各医療機関(マグネット病院)と協力して、一定期間、各病院で派遣修練医として研修することはきわめて意義深く有益であることはいうまでもない。
腎臓内科において研修すべきテーマとその実際
- 1. 一次性腎疾患の診断と治療
- 全身の診察、検査結果の読み方、尿所見の読みかた、腎生検の手技と病理診断、単純X-p,CTの読影、腎エコー
- 治療 RAS系阻害剤、副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤などの治療
これらは腎臓内科医としての基本である。3年目以降の後期研修では以下のことができることが目標である。腎臓疾患で受診するもっとも多いものは検診での尿異常である。まず尿沈渣を含め尿所見を正しく読めるよう訓練が基本である。Poor man’s renal biopsyといわれるように尿からはさまざまな情報が得られる。経過、臨床症状とあわせてどのような腎疾患であるかを推測できるようにする。腎生検の適応とどのような組織が考えられるかも判断できるようにする。さらに単純X-p、エコーやCTなどの形態的異常の有無を判読できる。一次性腎疾患の治療はエビデンスが確立されたものが少ない。各施設でかなりの特徴がある。エビデンスを基本に治療法を適確に選択できるように努力して欲しい。
- 2. 二次性腎疾患の診断と治療(専門各科と連携して)
- 糖尿病、自己免疫疾患(SLE, RA, シェーグレン症候群、HUS-TTPなど)、血液疾患(リンパ腫、ガンマグロブリン異常症など)、呼吸器疾患(肺腎関連でANCA関連腎症、サルコイドーシスなど)、肝疾患(ウィルス性肝炎関連など)、妊娠腎、アミロイドーシス
二次疾患はきわめて広領域に渡る。すべての疾患を経験し習熟することは困難であるが、頻度の高い糖尿病、SLEなどは診断、治療を習得し、その他の疾患もできるだけ経験する。前期研修や内科研修でできるだけ多くの疾患を経験しておいてほしい。
- 3. 高血圧 診断と治療
高血圧の診断治療は腎臓内科医のもっとも得意とするところである。二次性高血圧の診断治療を学ぶとともに最近RAS系阻害剤を中心に多くの高血圧治療薬が使用可能となり、その処方に習熟することが求められる。
- 4. 電解質代謝異常、酸塩基平衡異常の診断と治療
電解質代謝異常、酸塩基平衡異常は腎疾患以外のさまざまな疾患で起こりうるが、診断と治療の基本は腎臓内科医にゆだねられることが多い、血液ガス、血液所見、尿中排泄量などを正確に把握し診断治療することを習得する。
- 5. 急性腎不全 さまざまな原因による急性腎不全の診断と治療
急性腎不全は医原性を含めて実際上かなり高頻度に生じる。病院内における腎臓内科医の腕のみせどころともいえる。腎前性、腎性、腎後性を正しく鑑別し、透析療法を含め適確に診断管理する能力を養う。
- 6. 慢性腎不全
CKDの概念の普及とともに、腎機能の適正な把握がなされ、腎臓内科医はそれに応じた正確な慢性腎不全の管理を求められる。「慢性腎不全の管理」とは、食事・血圧・貧血・Ca-P代謝・他の心血管合併症の管理など多義にわたるが、それ以外にも、「慢性腎不全の急性増悪を管理する」ことは、正しい診断や治療を必要とする重要な習得事項である。多くの疾患にあたりながら、これら腎不全進行の阻止のための管理方法を学ぶ。
- 7. Ca,リン代謝異常の診断と管理
Ca、リン代謝管理はほとんど腎臓内科医が独占的に行う診断治療である。最近多種の薬剤が利用できるようになったがその正しい使い方を習熟するのは容易ではない。できるだけ多くの患者に接して実際の管理法を学ぶことが肝要である。
- 8. ブラッドアクセス手術
ブラッドアクセス手術は国内の手術でもっとも多い手術となっている。内科としてこの手術を習得する必要性については個々の考え方によるが、血液透析の場においてブラッドアクセス管理をする上で最低限の知識および技術は必要となる。
- 9. 血液透析の管理、腹膜透析の管理
現在全国に27万人余の透析患者がいる。透析療法はほとんどの病院において腎臓内科医の仕事の多くの部分を占める。透析専門医がすべてを管理できているわけではなく透析専門医の資格を持つことも目標の一つである。京大病院をはじめ、一部の病院では合併症治療以外に慢性期の維持透析を扱っていない。維持透析患者の治療管理は腎臓内科医の必須事項の一つであり、マグネット病院と連携してその管理法を習得すべきである。
- 10. 血液浄化療法 血漿交換、血液吸着療法、顆粒球吸着療法などの管理
腎疾患の一部や他の多くの疾患に対してさまざまな血液浄化療法が適応となっている。肝不全や自己免疫疾患、TTP-HUSなどに対する血漿交換療法、自己抗体やウィルス除去などための二重膜濾過血漿交換法、ASOやネフローゼ症候、家族性高脂血症のためのLDLアフェレーシス、炎症性腸疾患のための顆粒球除去療法などである。これらは各疾患分野の専門家とともに腎臓内科医がその治療を担当することがほとんどである。したがってその血液浄化法の適応と効果を習得する必要がある。これらの治療法は大学病院などが多くの症例をもっている。
- 11. 腎移植 腎移植患者の管理 移植腎病理
現在わが国では腎移植のほとんどは基幹病院の泌尿器科あるいは移植外科で行われ、その管理も泌尿器科、移植外科でなされていることが多い。しかし最近は腎臓内科としても移植生検病理や高血圧、腎機能障害の管理などを通じてともに診療していくことが多くなっている。
- 12. クリティカルケア (敗血症、中毒など)
急性腎不全は言うまでもないが、劇症肝不全や敗血症などのCritical care medicineにも血液浄化療法などを通じて関わることが多い。その管理法を各科の専門医あるいはICU担当医とともに学ぶ。
プログラムについて
- 腎臓内科を目指す若手医師に対して以下のようなプログラムを提供している。
いずれのコースを選択してもその研修の目標は
腎臓内科および透析療法専門医としての基本的知識と技術の習得
腎臓内科専門医、透析療法専門医の取得
腎臓内科の臨床および基礎的研究を目指す医師に(大学院への進学もその一つの方法)
である。
腎臓内科および透析療法専門医としての基本的知識と技術の習得
腎臓内科専門医、透析療法専門医の取得
腎臓内科の臨床および基礎的研究を目指す医師に(大学院への進学もその一つの方法)
である。
コースの概要
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プログラムについて
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専門医の取得等
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